メンタル不調による休業・退職をどう防ぐか|企業に求められる職場環境の見直し

最近、仕事で南十勝方面のお客様を訪問する機会が増えています。十勝というと広大な畑や牧場の風景を思い浮かべる方も多く、海のイメージはあまりないかもしれませんが、南十勝には太平洋に面した海岸線が広がっています。

広尾町を訪れた際には、少し時間が空くと、ついつい海を見に行ってしまいます。広尾港から眺める海は開放感があり、広い空と水平線を見ていると、普段の仕事の慌ただしさを少し忘れることができます。同じ十勝でも、少し足を伸ばせば、また違った景色や魅力がありますね。

では、今日の話題です。

・メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.8%、退職した労働者がいた事業所の割合は6.5%

・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%

・ストレスチェックの実施状況は、労働者50人以上の事業所で89.8%、労働者数30~49人の事業所で58.4%、労働者数10~29人の事業所で55.9%

厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r07-46-50_gaikyo.pdf

メンタルヘルス不調による休業や退職は、本人だけでなく、企業にとっても大きな課題です。厚生労働省の「令和7年労働安全衛生調査」によりますと、過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1か月以上休業した労働者がいた事業所は10.8%、退職した労働者がいた事業所は6.5%でした。労働者全体に占める割合でも、休業者は0.6%、退職者は0.2%となっています。いずれも前年から増加しており、職場におけるメンタルヘルス対策の重要性が改めて浮き彫りになっています。

こうした数字を考えるうえで重要なのは、休業や退職という結果だけを見るのではなく、そこに至るまでの過程に目を向けることです。業務量や人間関係、長時間労働、上司とのコミュニケーションなど、職場環境に原因が潜んでいる場合もあります。人材不足が続くなか、従業員の不調による休業や退職は、残された従業員の負担を増やし、さらなる不調を招く悪循環にもつながりかねません。

十勝の企業でも、限られた人数で業務を回している職場は少なくありません。一人が休業・退職すると、代替要員の確保が難しく、周囲の負担が一気に増すこともあります。だからこそ、不調が表面化してから対応するのではなく、日頃から業務の偏りや職場の雰囲気を確認し、従業員が早い段階で相談できる環境を整えておくことが大切です。

同調査では、メンタルヘルス対策に取り組む事業所は63.0%にとどまり、特に小規模事業所では取り組みが十分に進んでいない状況も見られます。大がかりな制度を整えることが難しくても、定期的な面談や管理職への研修、相談窓口の周知など、できることから始めることは可能です。

メンタルヘルス対策は、単に従業員を休ませるためのものではありません。安心して働き続けられる職場をつくり、人材の定着と企業の持続的な成長につなげるための重要な労務管理の一つといえます。