若手が辞める理由は待遇だけではない|20代の意欲を支える企業の関わり方

先月、ご依頼をいただき、施設関係の管理職の皆様を対象にハラスメント研修の講師を務めてきました。今回は、今年10月から対策が義務化されたカスタマーハラスメント(カスハラ)を中心に、管理職に求められる対応やリスク管理についてお話ししました。職員を守るための組織的な対応や、現場での具体的な判断など、管理職の皆様にとって実践的な内容となるよう心掛けました。

今年はカスハラ対策の法改正もあり、ハラスメント研修のご依頼をいただく機会が増えており、月に1~2件ほど講師を務めています。今回の研修では、参加された皆様に熱心に耳を傾けていただき、こちらとしても大変ありがたく感じています。以前取得したハラスメント防止コンサルタントの資格も、こうした研修の場で役立っており、学んできた知識を実務に生かせることをうれしく思います。今後も、企業や施設の適切なハラスメント対策を支援していきたいと思います。

では、今日の話題です。

●20代正社員の「モチベーション低下と回復の実態」を調査

・約8割が、日常の業務における仕事への意欲が「高い」と回答

・モチベーション低下要因1位は「ミスや失敗」

・モチベーションが低い状態が続いた場合の転職検討タイミングは「1年以上続けば考える」が最多。一方、約半数が「1年未満」で転職を検討

・落ち込んだときに、上司や先輩へ求めるサポートの1位は「課題解決のアドバイス」

ジェイック「モチベーション低下と回復の実態に関するアンケート調査」
https://www.jaic-g.com/news/pressrelease/260915/

20代の社員の仕事への意欲には、失敗の経験や成長実感、職場の人間関係が大きく影響しているようです。ジェイックの調査によりますと、モチベーションが下がる要因の1位は「ミスや失敗」(42.7%)、2位は「成長実感が得られない」(33.3%)、3位は「職場の人間関係」(28.2%)でした。また、意欲が低い状態が続いた場合、約半数が1年未満でも転職を検討すると回答しています。

この結果から見えてくるのは、若手社員の定着には、給与や休日などの労働条件だけでなく、日々の仕事を通じた成長実感や、周囲との関係が重要だということです。特に経験の浅い時期は、仕事で失敗した際に自信を失ったり、自分が成長できているのか分からなくなったりすることもあります。そんなとき、上司や先輩からの声掛けや具体的な助言が、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになります。

十勝の企業でも、人手不足から一人ひとりが幅広い業務を担い、先輩社員が後輩の育成に十分な時間を割けない職場があるかもしれません。しかし、採用が難しい地域だからこそ、入社した若手社員が安心して成長できる環境を整えることは重要です。業務を教えるだけでなく、できるようになったことを伝え、困ったときに相談できる関係をつくることが、定着にもつながります。

もちろん、若手社員の考え方や価値観を一括りにはできません。ただ、成長の機会や納得感のあるフィードバックを重視する傾向を踏まえれば、従来の「仕事は見て覚える」「失敗から学ぶのが当然」という育成方法だけでは、十分に伝わらないこともあると思われます。

若手社員の意欲低下を本人の気持ちの問題として片づけず、職場の関わり方や育成体制を見直すことが大切です。日々の対話と適切な支援を積み重ねることが、社員の成長と企業の人材定着を支える基盤になると考えられます。