人手不足時代、年齢は本当に壁なのか?十勝の企業が考えたいシニア人材の活かし方

先日、釧路方面へドライブに出かけました。行きは高速道路を使わず、道の駅やお菓子屋さんなどに立ち寄りながら、のんびりと下道を走りました。釧路は帯広から車で行ける距離にありながら、以前はそれほど馴染みのない街でしたが、ここ最近は街並みや独特の雰囲気が好きになり、よく訪れるようになりました。帯広ではあまり見ることのできない、街の中を流れる大きな川や、その先に広がる海の景色には独特の開放感があります。釧路を訪れるたびに、普段とは違った景色に触れることができ、良い気分転換になっています。

では、今日の話題です。

・年齢が上がるほど「働かなくてもいい状況であっても働きたい」割合が高まる。男性は70代、女性は60代から多数派に

・シニアのアルバイトの目的は男女ともに「健康維持のため」が最多。「孤独感の解消」「社会とのつながり」を求める声も

・アルバイトで「生活の質が向上している」シニアは約6割

・アルバイトで働くシニアの2人に1人以上が「応募時に年齢の壁を感じる」。実際の業務についても、4人に1人以上が「年齢の壁を感じたことがある」

マイナビ「シニアのアルバイトに関するライフエンゲージメント調査」
https://www.mynavi.jp/news/2026/06/post_53850.html

マイナビが実施した「シニアのアルバイトに関するライフエンゲージメント調査」では、「働かなくても生活できる状況であっても働きたい」と回答する割合が年齢とともに高まり、男性70代では50.7%に達したことが示されています。高齢になっても働くことへの意欲が決して低くないという結果は、人手不足が深刻化する企業にとって、改めて注目すべきものといえます。

企業側からすると、採用難が続く中で「若い人を採用する」という発想だけでは人材確保が難しくなっています。これまで年齢を理由に採用対象から外していた層にも目を向け、経験や技能を持つシニア人材に活躍してもらうことは、現実的な選択肢になりつつあります。特に接客、製造、運送、介護、農業など、経験そのものが仕事の質につながる分野では、長年培った知識や対人スキルが大きな強みとなることも多いと考えられます。

一方で、十勝のように農業をはじめ、食品、建設、観光、福祉など幅広い産業が地域経済を支える地域では、高齢者の就業意欲をどう活かすかは、人手不足対策だけでなく、地域の技術や経験を次の世代へつなぐという意味でも重要です。例えば、繁忙期だけ勤務してもらったり、若手社員の教育や技術継承を担ってもらったりと、フルタイム勤務だけにとらわれない活用方法も考えられます。地域で長く働いてきた人だからこそ持っている知識や人脈を、企業の財産として捉え直すこともできます。

ただし、「高齢者も戦力」と単純に考えるのも適切ではありません。体力や健康状態、勤務可能な時間帯などには個人差があり、若年者と同じ働き方を求めれば負担につながる可能性があります。業務内容や勤務時間を柔軟に設定し、「週に数日」「午前中だけ」といった働き方を用意するなど、本人の能力と生活に合わせて仕事を設計することが重要です。

また、シニア人材の活用は、若手社員との関係を考えるうえでも意味があります。ベテランが持つ経験を若手に伝える一方で、若手がデジタル技術や新しい業務手法を共有するなど、世代を超えて互いの強みを活かすことができれば、単なる人手不足対策を超えて組織全体の力を高めることも可能となります。

もちろん、高齢者雇用を進めるうえでは、安全配慮や健康面への配慮、仕事内容・労働条件の明確化など、企業側が考えるべき課題もあります。しかし、人手不足が構造的な問題となる中では、「何歳まで働けるか」という発想から、「どのような仕事なら能力を発揮できるか」という発想への転換が必要です。今回の調査結果は、年齢を人材の限界として見るのではなく、経験や意欲を含めて個人の力を評価することが、これからの人材活用において重要になることを示しているともいえます。