何歳まで活躍してほしいのか|シニア人材を活かす企業の労務管理

先日、旭川で開催された社労士会の研修に向かう途中、久しぶりに狩勝峠に立ち寄りました。紅葉には少し早い時期でしたが、天気にも恵まれ、展望台からは十勝平野を一望する雄大な景色を楽しむことができました。狩勝峠は、かつて「日本新八景」にも選ばれた景勝地で、改めてその眺めの素晴らしさを実感しました。

一方、展望台には、少し前にこの付近で熊が出没したため、十分に注意するよう呼びかける看板もありました。絶景を楽しんでいたら、思わぬお客様と鉢合わせ‥なんてことにならないよう、自然を満喫する際にも油断は禁物ですね。紅葉が進めば、さらに美しい景色が楽しめそうです。

では、今日の話題です。

・企業が従業員に活躍してほしい年齢は67.9歳

・「小規模企業」が68.3歳、「中小企業」が68.1歳、「大企業」が66.8歳となり、企業規模が小さくなるにつれて平均年齢は高くなった

・業界別では、「農・林・水産」が70.1歳で唯一70歳を超え、「運輸・倉庫」(68.6歳)、「サービス」(68.5歳)と続いた一方で、「建設」は67.4歳と全業種のなかで一番低かった

帝国データバンク「企業が期待する「活躍年齢」に関する動向アンケート」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260911-active-age/

従業員には何歳ごろまで活躍してほしいと考えるでしょうか。帝国データバンクの調査によりますと、企業が期待する「活躍年齢」は平均67.9歳となりました。企業規模別では、小規模企業が68.3歳、中小企業が68.1歳、大企業が66.8歳と、規模が小さい企業ほど高い傾向が見られます。人手不足が深刻化するなか、経験豊富な従業員に長く活躍してほしいという企業側の期待がうかがえます。

シニア人材の強みは、単に労働力を確保できることだけではありません。長年培った技術や知識、顧客との関係、現場での判断力は、企業にとって貴重な財産です。若手人材の採用や育成が難しい企業ほど、ベテラン従業員が持つ経験を次の世代へ引き継ぐことは、事業を継続するうえでも重要な意味を持ちます。

十勝でも、農業や食品関連、建設、運輸など、地域の暮らしや産業を支える幅広い分野で人材確保が課題となっています。採用が難しいからこそ、現在働いている従業員に長く活躍してもらうことは現実的な選択肢の一つです。ただし、体力を要する業務を若い頃と同じように続けてもらうのではなく、本人の健康状態や経験に応じて役割を見直す視点も欠かせません。

そのためには、定年後の再雇用制度や賃金などの労働条件を整えるだけでなく、業務内容の調整、柔軟な勤務時間、安全面への配慮など、年齢を重ねても働き続けられる環境づくりが必要です。また、本人の希望を確認し、会社が期待する役割とのすり合わせを行うことも大切です。

シニア人材の活用は、単に雇用期間を延ばすことではありません。一人ひとりが培ってきた経験や能力を活かし、年齢にかかわらず役割と意欲を持って働ける職場をつくることが、人材の定着と企業の持続的な成長につながると考えられます。