六月病は「個人の問題」ではない|企業に求められるメンタルヘルスと評価のフィードバック
先月、長野を訪れた際に、善光寺にも足を運びました。休日ということもあり、多くの参拝客で賑わっていましたが、本堂の圧倒的なスケールと厳かな雰囲気に触れ、長い歴史を持つ名刹ならではの風格を感じました。山門から本堂へと続く仲見世通りには、長野名物のおやきをはじめ、土産店や飲食店が数多く立ち並び、食べ歩きも満喫しました。参拝を終えた後は御朱印もいただき、長野の歴史や文化を身近に感じることができた、思い出深いひとときとなりました。

では、今日の話題です。
・正社員の5人に1人が現在の職場で「六月病」を経験、20代が27.6%で最多。「六月病」のきっかけは「新年度の環境に慣れる過程で生じる変化」「賞与や評価に対する不満」など
・「六月病」で感じた自身の変化は「疲れやすさを感じるようになった」が最多。「六月病」経験者の27.7%が、「六月病」がきっかけで「生活リズムや体調管理を意識するようになった」
・評価に納得感がある人は、職場で丁寧な評価のフィードバックがある傾向。企業側の14.0%は評価のフィードバックを重要視しておらずルール化もしていない
・企業側の4割超が「6月は他の月と比べて従業員からのメンタル不調に関する相談が増えると感じる」。五月病から続く形で、やる気や集中力の低下を訴える相談が寄せられるケースも
マイナビ「【正社員1.8万人に聞いた】六月病と評価フィードバックに関する調査2026年」
https://www.mynavi.jp/news/2026/05/post_53437.html
マイナビが実施した「六月病と評価フィードバックに関する調査」では、正社員の5人に1人が現在の職場で「六月病」を経験したと回答し、特に20代では27.6%と最も高い割合となりました。その要因としては、新年度の環境変化への適応だけでなく、「賞与や評価への不満」や「祝日が少ないことによる疲労感」など、複数の要素が重なっていることが明らかになっています。また、企業側の46.1%が「6月は他の月よりメンタル不調の相談が増える」と感じており、企業側もこの時期特有の変化を認識していることがうかがえます。
企業の労務管理の視点から見ると、六月病は単なる一時的な気分の落ち込みではなく、組織運営上のサインとして捉える必要があります。特に近年の若年層は、給与や待遇だけでなく、「自分が適切に評価されているか」「仕事の意味や成長を実感できているか」といった心理的な納得感を重視する傾向があります。今回の調査でも、評価への納得感が高い人ほど、上司から丁寧なフィードバックを受けている割合が高く、一方で半数以上は十分なフィードバックを受けていない実態も示されています。評価制度そのものだけではなく、「評価をどう伝えるか」が従業員のモチベーションや定着に大きく影響する時代になっていると言えます。
北海道十勝のような地域では、新卒採用やUターン採用に力を入れる企業も増えていますが、採用できた人材を定着させることは、それ以上に重要な課題です。地方企業は大企業ほど待遇面で競争することが難しい一方、経営者や上司との距離が近く、一人ひとりと向き合いやすいという強みがあります。この強みを生かし、日頃から対話やフィードバックを積み重ねることは、地域企業ならではの大きな魅力にもなります。
また、中小企業では、人員に余裕がないため、一人のモチベーション低下が職場全体へ与える影響も決して小さくありません。そのため、6月を単に「疲れが出る時期」と捉えるのではなく、面談や声掛け、評価のフィードバックを意識的に行うタイミングとして活用することも有効と思われます。
今回の調査は、六月病の背景には個人の問題だけではなく、評価やコミュニケーション、職場環境といった組織的な要因があることを示していると言えます。従業員の不調が表面化してから対応するのではなく、日頃から対話を重ね、安心して相談できる職場づくりを進めることが、これからの労務管理にますます求められると考えられます。
