従来の採用は限界か?AI時代の人材ニーズ調査から見える企業の現実

 今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」を見ています。歴史好きということもあり、毎年欠かさず大河ドラマはチェックしているのですが、ここ数年は序盤だけ見て、どうも波長が合わず途中で脱落してしまうことが少なくありませんでした。しかし今回は、初回から物語に引き込まれ、序盤から非常に見応えのある展開が続いており、毎週放送を楽しみにしています。今後、物語が進むにつれて、より一層の重厚感が増していくことを期待しています。これから描かれていく数々の出来事や事件が、どのような視点で表現されていくのか、興味津々です。

 

 では今日の話題です。

約3割の企業が「これまで通りの人材採用には限界が来る」と実感。AI業務代替による人員削減、5社に1社以上は「今後影響がありそう」。

◆人材採用について、「これまで通りの採用にはそろそろ限界が来る」企業は33.8%。特に医療・福祉、生活関連サービス業種で採用への危機感が強い傾向
◆企業の採用充足状況、新卒・中途・アルバイトで約4割が未充足。新卒・中途で未充足割合が増加
◆AIの業務代替による人員削減、「既に人員削減への影響が出ている」企業は12.3%。

マイナビ「企業人材ニーズ調査 2025年版」

https://www.mynavi.jp/news/2026/01/post_51645.html

 マイナビの「企業人材ニーズ調査 2025年版」は、約3割の企業が「従来通りの採用には限界が来ている」と感じており、特に新卒・中途・アルバイト採用のいずれも約4割が充足できていない実態を示しています。

 企業側の視点では、人口減少と少子高齢化が進む中で人材確保が難しくなっていることは既に周知の課題ですが、この調査は従来の採用努力だけでは限界が見えている現実を数値で裏付けています。特に専門性の高い人材や即戦力のニーズの高まりは、中小企業・地方企業にとって、都市部人材の取り合いという構造的な不利と直結しています。

 また注目すべきは、AIによる業務代替の影響が企業の組織運営にも及び始めている点です。調査によれば、AIや技術革新は単なる効率化を超えて、人員構成にも影響を与えており、特に大企業では既に人員削減の兆しが出ているとの回答もあります。 地方中小企業でも、AI・ツール導入による業務の自動化や効率化は将来的な採用戦略を左右する可能性が高まっています。

 一方で、AIはすべての仕事を奪うわけではなく、人間にしかできない非定型業務や判断、対人コミュニケーションの領域で価値を発揮する可能性があります。これは労務管理の視点でも重要で、AI導入と人材戦略が「競争関係」になるのではなく、互いに補完する形で計画的に設計されることが望ましいと言えます。例えば、日々の労務手続きや採用業務をAIで効率化し、その分人事・育成・組織風土改善といった人のスキルが生きる領域に投資するといった戦略が考えられます。

 北海道十勝のような地方では、都市部と比べて給与面・機会面での競争力が相対的に弱く、単純な採用努力では人材確保が限界を迎えつつあります。ここでは地域密着の強みを活かし、従業員が長く働きたいと思える職場づくりが求められます。たとえば、地域の専門人材や複業人材、AI活用による業務軽減で生まれた時間をキャリア形成支援につなげるなど、採用・定着・成長を同時に実現するアプローチが必要です。自社の現状を正しく見極めたうえで、AIを「使うこと」ではなく「活かすこと」を目的にした取り組みが、これからの人事労務には欠かせないと言えます。