労働時間規制緩和の是非と企業の本音 | 働き方の多様化が人事に突きつける課題
先日札幌での会議の合間に、レバンガ北海道の試合を観戦してきました。やはりバスケは最高に面白いです。(学生時代はバスケ部でした)スリリングな展開と会場が一体となった応援、全てを忘れてのめり込めます。試合終了間際の時間帯に同点や僅差といった展開は漫画の世界だけではなく、バスケの試合では本当によくあります。今年も機会を見つけて、また応援に行きたいと思います。(写真の後、残り1分で富永選手のスリーが炸裂し、勝ちました♪)

では今日の話題です。
「労働時間規制緩和・残業」の意識調査
・「労働時間規制緩和」検討指示、約6割が肯定的に評価。理由は「労働時間の希望を実現しやすくなる」「収入の増加が目指せる」。
・一方で、労働時間を「増やしたい」方は1割。半数が「現状維持」、約4割が「減らしたい」。
・約3割が規制緩和に否定的。「健康被害」「意図しない労働時間増加」を懸念。
・1ヵ月の残業時間、約7割が「20時間未満」。「81時間以上」は3%。23%が「残業代が規定通り支払われていない」と回答。
エン株式会社「労働時間規制緩和・残業に関する企業の実態調査レポート」
エン株式会社が『エン転職』ユーザーを対象に行った「労働時間規制緩和・残業」に関する意識調査では、政府の労働時間規制緩和検討指示について約6割が肯定的に評価した一方、実際に労働時間を増やしたいのは1割強にとどまり、約4割が減らしたいと回答していることが明らかになりました。さらに、約3割が緩和に否定的で、その理由に健康被害や意図しない長時間労働への懸念を挙げています。現実の労働時間実態では、約7割が月20時間未満の残業に留まる一方、約23%が残業代の支払状況に不透明感を抱くなど、多様な働き方への期待と不安が混在している状況です。
企業側の視点からすると、この調査は単に「規制緩和の是非」を論ずるだけでなく、働く人の価値観が多様化し、従来の1つの労働時間モデルに固執することが必ずしも組織の生産性向上や人材定着につながらない現実を強く示しています。「労働時間を選びたい」というニーズは、収入やキャリア形成の視点だけでなく、家庭・健康・ワークライフバランスといった多様な価値観への対応として捉える必要があります。
特に企業の採用・人事戦略の現場では、労働時間に対する柔軟な選択肢を設けることが、従業員の意欲や定着に大きく影響します。規制緩和に肯定的な意見が多いのは、「働きたいときに働き、収入を増やす手段として活用したい」という働き手の本音が反映されているからです。しかし、同時に否定的意見として「健康被害」や「意図しない長時間労働への懸念」が多く挙がっていることから、企業は単に労働時間の制約を外すだけでなく、従業員の健康・安全配慮と労働時間管理の両立を設計する必要があります。
北海道十勝のような地方企業では、働き手の確保が都市圏以上に難しく、人材の確保・定着の視点がより重要です。十勝地域では農業・建設業等、繁閑の季節変動が大きい業種が多く、労働時間に対する柔軟性は従業員の満足度を高める強力な施策になり得ます。しかし同時に、従業員の健康と安全の確保、地域特性に応じた働き方の選択肢の設計が遅れると、逆に離職リスクを高める可能性もあります。十勝企業が今後持続的な成長を目指すなら、徹底した労働時間管理と、従業員個々の働き方ニーズへの対応を戦略的に再設計することが重要となります。
