年末年始休暇は退職の分岐点か?企業が年末年始を“チャンス”に変えるコミュニケーション戦略

 年末に、毎年恒例のワカサギ釣りで南富良野町のかなやま湖へ行ってきました。2月頃に比べると、この時期はまだあまり釣れないと言われていましたが、実際には予想を上回る大漁。想像以上の釣果に、テント内も盛り上がりました。シーズン初めということで、ワカサギもまだ警戒心が薄かったのかもしれませんね。

 では今日の話題です。

正社員の3人に1人が年末年始休暇で「会社を辞めたい」と思ったことがある。年明け出社時に同僚等が辞めていた「あけおめ退職」の経験者は約3割。企業にとって退職者が最も多い長期休暇は「年末年始休暇」

株式会社マイナビは、20~59歳の年末年始休暇がある正社員と、前月採用活動を行ったもしくは今後3カ月で採用活動を行う予定の中途採用担当者を対象に実施した「年末年始休暇と転職に関する調査」を発表しました。
本調査における「あけおめ退職」の経験とは、年末年始休暇明けに出社した際、同僚や先輩、後輩など比較的近しい人が退職していたことを指します。

マイナビ 「年末年始休暇と転職に関する調査」

https://www.mynavi.jp/news/2025/12/post_51296.html

 マイナビの「年末年始休暇と転職に関する調査」では、正社員の約3人に1人が年末年始の休暇期間中に「会社を辞めたい」と感じたことがあると回答し、年明け出社時に同僚が退職していた経験(いわゆる「あけおめ退職」)が約3割にのぼるという結果が示されました。特に20代では「あけおめ退職」経験率が約4割と高く、休暇を契機に離職の意識が高まる傾向が明らかになっています。

 企業側から見ると、これらの結果は単に「年末年始が退職の増える時期」という季節的な現象を示すだけでなく、働き手が長期休暇を通じて自身の働き方や環境を冷静に見直していることを示唆しています。長期休暇は従業員がプライベートな時間を過ごしながら、家族・友人と働き方について会話する機会が増える時期でもあり、休暇前後の職場環境やコミュニケーションの質がそのまま離職意向に直結しやすいと言えます。

 この調査結果は、年末年始を迎える企業が 単に労務管理や休暇取得の調整を行うだけでは不十分であることを浮き彫りにしています。例えば、休暇前の業務負荷が高く帰省中もそのストレスが継続していると、従業員の退職意向が高まる傾向が強いと考えられるため、休暇前後の業務調整・負荷軽減策を仕組みとして導入することは、労務面のリスク管理として有効と考えられます。また、休暇前の段階で個別面談や目標・課題の共有を行うことで、「会社に居場所や意義を感じる」実感を高める効果も期待できます。

 北海道十勝のような地方中小企業では、都市部と比べて顔の見える職場規模である反面、同じ人材を複数年にわたって維持する必要性はより高いと言えます。十勝地域では帰省先との距離や生活環境が都市部と異なるため、年末年始休暇中の会話・状況変化が従業員の意識に強く影響する可能性があります。そのため、年末年始を単なる区切りと捉えるのではなく、職場の価値や将来像を伝えるタイミングとして捉え直すことが重要です。

 調査でも、「給与・ボーナスの増加」「福利厚生の充実」「業務負荷の均一化」「休暇明けは軽めの業務から」といった企業側のサポート策が離職意向の緩和につながるという意見が挙がっていますが、それを単発的な施策に終わらせない仕組み化が求められています。特に長期休暇前後は個別の対話機会を設けること、休暇後の業務がスムーズに進むような計画を導入することが、定着率の改善につながる実務的なポイントといえます。

 今回の調査は、長期休暇期間が企業にとって リスクでもあり、従業員との信頼を深める機会でもあることを示しています。企業側がこの時期の働き手の心理を理解し、戦略的に対応することは、離職防止・職場文化向上の重要な方策となると考えられます。