導入しただけで終わっていないか?企業規模で差が広がる生成AI活用と労務管理の課題
先日、支笏湖畔で開催されている氷濤まつりに初めて足を運びました。北海道を代表する冬の祭典ということで、テレビや写真で目にしたことはありましたが、実際にその場で見る氷の造形は想像以上の迫力で、思わず見入ってしまいました。夕方に入場した頃は、大小さまざまな氷のオブジェが「支笏湖ブルー」と呼ばれる自然の青に厳かに輝き、澄んだ空気の中でひときわ美しく映えていました。そして夜になると、色とりどりのライトに照らされ、会場全体が幻想的な世界となりました。週末ということもあり、駐車場に入るまでの渋滞はなかなかのものでしたが、寒さを忘れ、冬の北海道の魅力を改めて実感する機会となりました。


では、今日の話題です。
・業務での生成AI利用者は約3割にとどまる
・生成AIの利用は管理職が先行する一方で、経営層が低い
・生成AIによるタスクの所要時間が平均16.7%削減
・削減できた時間の6割以上が仕事に再投下され、中心は日常の業務が約7割
・個人の生成AIの成熟度と生成AI活用のパフォーマンスは相関
・「現場任せ」でもタスクレベルの削減は進むも、最も成熟するのは「仕組み化」タイプ
パーソル総合研究所 「生成AIとはたらき方に関する実態調査」
パーソル総合研究所の「生成AIとはたらき方に関する実態調査」は、業務における生成AI利用が約3割(32.4%)にとどまり、日常的に使いこなすヘビーユーザーは1割強という結果を示しています。業務での効果としては、生成AIを使ったタスクで平均16.7%の所要時間削減が確認されたものの、その時間の多くが日常業務の消化に使われているなど、効率化の効果が限定的である側面も浮かび上がっています。
企業側の労務管理の視点からは、生成AIは単なる「業務効率化ツール」にとどまらず、制度設計や働き方の再考を促すきっかけになっていると捉えるべきです。特に、生成AIの利用状況には企業規模による差が出ており、利用頻度や成熟度の高い「仕組み化タイプ」の浸透している組織と、属人的な利用にとどまる組織とで効果やリスク感が大きく異なります。この差は中小企業において顕著で、ツール配布だけでは利用が進まず、使い方教育や活用イメージの共有、組織全体としての“回す仕組み”が整っていない現状が課題です。
実際、生成AIを使わない理由として「必要性を感じない」「使い方がわからない」という声が多く、こうした認識面のギャップは大企業・中小企業を問わず共通していますが、組織的な推進力や教育投資の余力には大きな差があります。中小企業では導入コストやスキルギャップが導入の障壁になりやすく、労務管理上もAI活用のための時間・研修・評価制度の設計が急務となります。
北海道十勝のような地方中小企業においては、生成AIは人手不足や業務負荷の軽減に資する技術としての期待が高い一方、適切な導入支援がないままに進めると、利用効果が限定的になるだけでなく従業員の負担感や混乱を招きかねません。十勝の企業が将来の持続的な競争力を確保するためにも、生成AIを取り入れた働き方・業務設計を労務管理の主要な柱として位置付け、職場全体で使いこなす体制への投資を進めることが不可欠です。
