多様化するライフデザインと働き方|地方企業に求められる労務管理とは
先月、今年のスノーボードの初滑りでトマムへ行ってきました。今年の冬は厳しい寒さの日が多く、雪がしっかりと引き締まり、パウダースノーに近いコンディションのゲレンデを楽しむことが出来ました。今回は昼食を山の中腹にあるカフェで取りました。料理がとても美味しく、暖炉を囲む独特の雰囲気も相まって、とてもリラックスできる時間になりました。毎年、滑りながら「今年で最後かな‥」と思っているのですが、ゲレンデを滑っているときの爽快感はやはり何ものにも代えがたいものがあり、翌日以降の筋肉痛は辛いですが、もう少し頑張ってみようと思います。

では今日の話題です。
◆男子学生の結婚後の共働き希望は68.1%で、調査開始以来最高。一方、「結婚せず自分の収入のみで生活する」女子学生も調査開始以来最高に
◆学生が思う子育てに関する考えについて、「育児休業を取って子育てしたい」が最多。男女別では、調査開始以降初めて男子が女子を上回る
◆20代正社員の約5人に1人は「結婚したくない」、30代では約3人に1人。理由は「結婚=幸せだとは思っていない」「自由な時間がなくなるから」など
◆20代正社員の32.7%が「子どもは欲しくない」。30代では男女ともに子どもが欲しくない割合が4割超
株式会社マイナビ「結婚観・子どもに対する意識調査」
マイナビが発表した「結婚観・子どもに対する意識調査」によると、男女学生を含む若年層・正社員において「育児休業を取りたい」「共働きを希望する」といった働き方とライフスタイルの両立志向が強まる一方で、一定数の20〜30代は「結婚しない」「子どもを持たない」といったライフデザインを選択する傾向が高まっています。正社員でも20代で約5人に1人、30代で約3人に1人が「結婚したくない」と回答し、20代で約3割、30代で4割以上が「子どもは欲しくない」と答えています。
企業の労務管理の観点から見ると、こうした価値観の変化は従業員の労働条件設計や制度設計に直接的な影響を与えます。従来の企業制度は、結婚・出産・育児というライフイベントを前提に社会保険制度や勤務形態、福利厚生を組んできた歴史がありますが、働く側の多様な価値観が顕在化する昨今では、「ライフステージに左右されない働き方」や「個人の価値観を尊重した制度設計」が求められています。
例えば、育児休業制度は従業員の子育て需要に対応するだけでなく、パートナーとも協力して働きたいと考える男性正社員への制度利用促進も重要になります。また、結婚・子育てを選択しない従業員にとっても、その人生設計に応じたキャリア形成や柔軟な働き方支援が、人材定着・生産性向上につながる可能性があります。深刻な少子化と人手不足が続く中で、“誰もが活躍できる職場づくり”は単なる福利厚生の充実ではなく、労務制度としての不可欠な再設計要素です。
労務管理では、これまで慣例化してきた「家族前提・ライフイベント前提」の制度を見直し、選択的休暇制度、テレワーク・短時間勤務制度、キャリア相談制度など、個々の働き方ニーズに応じられる柔軟性を確保することが必要です。個別面談等を通じて、従業員それぞれの人生観や働き方に耳を傾ける仕組みも今後さらに重要になってくると考えられます。
特に人口減少と若年層の都市部流出が続く北海道十勝のような地方では、結婚・育児といった従来型のライフイベントだけを前提とした制度設計では、人材の確保・定着が一層難しくなりつつあります。地域企業にとっては、「結婚するか・子どもを持つか」といった選択に関わらず、個々の価値観や生活スタイルを尊重しながら長く働き続けられる環境を整えることが、他地域との差別化要素にもなります。
十勝は、生活コストや自然環境といった強みがある一方で、キャリア機会や制度面では都市部企業と比較されやすい地域でもあります。だからこそ、画一的な制度ではなく、柔軟な働き方やキャリア形成を支える労務管理を通じて、「この地域、この会社で働き続けたい」と感じてもらえる職場づくりが重要です。多様な人生観を受け止める制度の整備は、単なる人材不足への対策にとどまらず、地域経済の持続性を支える基盤となることを、今回の調査は示していると言えます。
