勤務時間外の連絡はどこまで許されるのか?「つながらない権利」と企業の労務管理
今月初め、音更の冬のイベントとしてすっかり定着した彩凛華に行ってきました。ここ数年は毎年訪れていますが、「光と音のファンタジックショー」と称されているように、連動して変化する光が織りなす幻想的な世界と、圧倒的な迫力で響く音楽が相まって、しばし現実を忘れてしまうような空間が広がっていました。写真の奥に見えるのは、この公園に設置されている巨大な花時計で、「ハナック」と呼ばれています。昼間はよく目にする花時計ですが、こうしてライトアップされると、普段とは違ったメルヘンチックな光景に見えるのも印象的でした。

では、今日の話題です。
- 勤務時間外に業務連絡がくる正社員7割、管理職ほどその割合は高い。勤務時間外の連絡は「連絡する・受ける」ともに管理職に集中している傾向。
- 正社員の6割以上が勤務時間外の業務連絡については「拒否したい」。一方、「気にしない」という声も。
- 上司へ勤務時間外の連絡をする場合の約6割が「緊急度が高い」と認識。一方、部下から受ける連絡の緊急度認識は3割未満と、立場による緊急度認識にギャップあり。
- 企業の68.4%が勤務時間外連絡の発生を認識。3社に1社は高頻度の発生を把握。企業の「つながらない権利」に関するガイドラインの策定、41.8%が未着手。
マイナビ「つながらない権利をめぐる個人の本音と企業の実態調査」
マイナビキャリアリサーチLabが公表した「つながらない権利をめぐる個人の本音と企業の実態調査」によりますと、正社員の約7割が勤務時間外にも業務連絡を受けており、特に管理職でその割合が高い一方、6割以上の人が本音としては勤務時間外の連絡を「拒否したい」と考えていることが分かりました。企業側でも勤務時間外連絡の発生を把握している割合は68.4%にのぼりますが、「つながらない権利」に関するガイドラインの整備は41.8%が未着手となっており、制度面の整備が十分に進んでいない実態が明らかになっています。
労務管理の視点から見ると、この結果は単に「連絡の是非」を議論する問題ではなく、企業の業務設計やコミュニケーションルールの整備と密接に関係するテーマです。近年は、勤務時間外の連絡を避けるべきだという社会的な風潮が強まり、「つながらない権利」という概念も徐々に広く知られるようになりました。しかし現実の企業活動では、緊急対応や顧客対応、管理職の判断業務など、時間外の連絡を完全に排除することが難しい場面も少なくありません。
特に中小企業では、人員の少なさや役割の兼務により、時間外の連絡や対応が発生しやすい傾向があります。一方で、明確なルールがないまま連絡が常態化すると、従業員の休息確保や心理的負担の問題につながる可能性があります。したがって、すべての連絡を禁止するのではなく、「緊急度の基準」「返信の期待時間」「翌営業日対応を原則とするルール」などを整理し、組織として共通認識を持つことが現実的な対応と言えるかと思います。
また、欧州を中心に「つながらない権利」を法制度として位置付ける動きが広がっており、日本においても現在行われている労働基準法などの改正議論の中で、勤務時間外の連絡のあり方が一定の形で整理される可能性も指摘されています。現時点では明確な法規制はありませんが、こうした社会的議論を踏まえると、企業としても今後の制度動向を見据えた対応を検討しておく必要があります。
北海道十勝のような地方では、人手不足が深刻化する中で、従業員の定着や働きやすさが企業競争力に直結します。働き手の価値観が多様化する現在、勤務時間外の連絡の扱いについても、企業と従業員双方が納得できるルールを整備することが重要です。地域企業においても、業務の機動力と従業員の休息のバランスを意識した労務管理を進めることが、持続的な組織運営につながると言えます。
