ストレスチェック制度の形骸化を防ぐには?中小企業の労務管理に求められる視点
先月末、札幌ドームで行われたVaundyのライブに行ってきました。結構前からファンで、よく聴いていたのですが、実際にライブへ足を運ぶのは今回が初めてでした。配信や動画で楽しむのももちろん良いのですが、会場全体の熱気や一体感、そして身体の芯まで響くような音の迫力は、やはりライブならではと改めて感じました。会場には当然若い世代のファンが多いのですが、私と同じような中年世代の姿も意外と多く見られました。キャッチーなメロディや印象に残る歌詞が魅力的なのはもちろんですが、どこか懐かしさを感じさせる曲調が、世代を問わず多くの人を惹きつけているのかもしれません。この年齢になると、ライブで思い切り盛り上がった翌日は少し疲れも残りますが、それ以上に、最高に楽しい時間となりました。

では、今日の話題です。
・ストレスチェック受検者の3人に1人が高ストレス判定経験あり。判定後に対処したという回答は約半数にとどまる
・高ストレス判定後、対処しなかった理由は、「相談しても状況は変わらない」(43.5%)、「形式的なもので意味がない」(31.9%)
・メンタル不調に早く気づくために従業員が望むサポートは「不調でなくともいつでも気軽に相談できる窓口」が38.1%で最多、「匿名で相談できる窓口」25.6%が続く
Smart相談室「ストレスチェック受検者の認識と行動に関する実態調査」
Smart相談室が実施した「ストレスチェック受検者の認識と行動に関する実態調査」では、ストレスチェック受検者の約3人に1人が「高ストレス判定」を経験している一方、その後実際に何らかの対処を行った人は約半数にとどまることが明らかになりました。また、対処しなかった理由として、「相談しても状況は変わらない」が43.5%、「形式的なもので意味がない」が31.9%となっており、制度そのものへの“諦め”や“形骸化”を感じている従業員が少なくない実態もうかがえます。
本来、ストレスチェック制度は、従業員自身がストレス状態を把握し、早期対応や職場改善につなげることでメンタル不調を未然に防ぐことを目的としています。しかし、制度導入から約10年が経過した現在でも、精神障害の労災認定件数は増加傾向にあり、今回の調査結果は「実施していること」と「実際に機能していること」は別問題であることを示していると言えます。
労務管理の視点から見ると、特に重要なのは「高ストレス者を把握した後、企業としてどのようにフォローするか」という点です。単に実施義務を果たすだけでは、従業員の安心感や不調の未然防止にはつながりません。今回の調査でも、「不調でなくとも気軽に相談できる窓口」や「匿名で相談できる窓口」を求める声が多く、従業員側は問題が深刻化する前に相談できる環境を求めていることが分かります。
また、今後は50人未満の事業場にもストレスチェック実施義務が拡大される予定であり、中小企業においてもメンタルヘルス対策は避けて通れない課題となります。一方で、中小企業では人事・労務担当者が限られ、相談体制やフォロー体制の構築が難しいケースも少なくありません。しかし、人員に余裕がない組織ほど、一人の不調が現場全体へ与える影響は大きく、早期対応の重要性はむしろ高いとも言えます。
北海道十勝のような地方地域では、人材確保が難しくなる中、「安心して働き続けられる職場」であること自体が企業の大きな競争力になりつつあります。特に地域の中小企業では、職場の人間関係や組織風土が従業員満足度へ与える影響も大きいため、ストレスチェックを単なる義務対応で終わらせず、相談しやすい環境づくりや管理職の意識改革を含めた実効性のあるメンタルヘルス対策につなげていくことが、今後ますます重要になっていくと考えられます。
