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みなし労働時間制適用、記録の客観性重視 最高裁審理差し戻し

 冬季間の雪も解けたこの時期の十勝では、車のタイヤ交換を行う方が増えてきます。4月に入っても、まとまった雪が降ることもある十勝ですので、交換時期に毎年迷いますが、そろそろ済ませたいものです。北海道の春の風物詩ですね。

では、今日の話題です。

外国人技能実習生の指導員だった女性の職場外の業務について、「みなし労働時間制」を適用できるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は16日、適用を認めず団体側に未払い賃金の支払いを命じた二審・福岡高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。裁判官5人全員一致の結論。
労働基準法は、外回りなどで「労働時間が算定しがたいとき」はみなし労働を適用できると規定。実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定められた時間分働いたとみなしている。最高裁は適用可否の判断にあたり、日報などの記録に加えて、客観的な裏付けを重視した形だ。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE105HC0Q4A410C2000000/

 労働基準法において規定されている「みなし労働時間制」の適用についての注目の最高裁判断でしたが、適用を否定した一、二審を差し戻す形で、結果的にみなし労働時間制の適用を認めることを含め、改めて検討するということになりました。

 記事にもあるように、みなし労働時間制の適用要件である「労働時間を算定しがたいとき」についての判断において、一、二審では業務日報により労働時間の算定は可能と判断しましたが、最高裁ではこの労働者の業務が多岐にわたり、時間管理にも本人の裁量があったこと、さらに適用否定の根拠としていた業務日報について、内容の正確性が十分に検討されていないと判断しました。

 長い間、営業職等の外回り社員を中心に適用されてきた「みなし労働時間制」ですが、携帯電話の普及や情報通信技術の発展により、必要に応じて会社からの指示を受けられるという点等から、労働時間の把握が難しいとはならず、最近は適用自体が難しいケースが多く見受けられるようになりました。

 今年の4月からは専門業務型裁量労働制の適用についても、適用労働者の同意が必要になるなど、みなし労働時間制全体に対する見方が厳しくなってきているとも言える中での今回の判断でしたので、今後のみなし労働時間制の適用要件をめぐる動きにも注目ですね。

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