正社員の4割以上が”静かな退職”をしていると回答

 GWは遠出の予定はないのですが、最近シマエナガや花手水でちょくちょく話題となっている帯廣神社に行ってきました。神社内をゆっくりと散策することで日頃の喧騒を離れ、厳かな雰囲気に心が癒やされました。御朱印帳も購入し、神社巡りにもハマりそうです。

 では今日の話題です。

  • 正社員の4割以上が「静かな退職※」をしていると回答。20代が最多で46.7%
  • 約6割の人が静かな退職で得られたものがあると回答。7割以上が「今後も静かな退職を続けたい」
  • 静かな退職を選んだきっかけを4タイプに分類。仕事・環境の不適合や処遇・評価に対する不満から「静かな退職」を選択している人も
  • 企業の中途採用担当者の約4割は「静かな退職」に賛成、「人それぞれ」「キャリアアップを求めない働き方も考慮すべき」。反対派は周囲への影響や会社への有益性を懸念

    ※「静かな退職」とは、やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすことを指す。近年のワークライフバランスを重視する動きが加速化したことによって、この働き方が増え、注目されている。
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250422_95153/

 ここ最近、労務管理分野でたまに聞く「静かな退職」についてですが、退職という言葉を使ってはいるものの実際に退職するわけではなく、キャリアアップや昇進を目指さず、必要最低限の仕事をこなす働き方のことを言います。コロナ禍以降、「仕事のために生きる」という考え方に対し、特に若い世代が疑問を持つようになり、この「静かな退職」という考え方が広まってきたとされています。

 今回のマイナビの調査結果を見る限り、20代では半数近くの方が「静かな退職」をしていると回答しているということで、会社側から見るとなかなか衝撃的な数字のようにも思います。

 調査結果では、今後も「静かな退職を続けたい」と考えている人の合計は70.4%で多数派となったものの、年代別にみると、「静かな退職を続けたい」割合は40代が73.5%で最多、「静かな退職を続けたくない」は20代が最も高く35.4%で、「静かな退職を続けたい」と考える人については、年代別では差があることもわかりました。

 「静かな退職」をするようになったきっかけについては、仕事・環境の不適合による意欲低下、評価不満、損得重視、無関心タイプなどがあり、そのきっかけによっては、その後の雇用継続にも影響を与えるものと思われます。

 さらに興味深いのは企業の採用担当者にこの「静かな退職」に対し、賛成か反対かを聞いたところ、業種ごとに差はありますが、全体では賛成の方が上回っているという結果が出ています。賛成意見では多様な働き方が注目される中でキャリアアップを求めない働き方も考慮すべきといったものがあり、反対意見では組織にとってプラスではなく、他の従業員への悪影響も想定されるためとの意見が出ています。賛成意見の方が多い背景には人手不足といった問題も透けて見えるような気がします。

 終身雇用制の崩壊により、従来のキャリア像はなくなりつつあり、働き方そのものだけではなく、働き方に対する考え方も多様化してきています。会社側としては、働き方に対する多様な考え方を受け入れつつも、そこに至った理由によっては、待遇の見直し、評価の公平性といった部分において、従業員のモチベーションアップを図る対策も考えていく必要があるかと思います。

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