直近1年間に転職した人で退職代行を利用した人は16.6%

 先日、旭川で行われた研修会に向かう際に途中で道の駅に立ち寄りつつ、近くにあった美瑛町の青い池にも寄ってきました。今や北海道の一大観光地となった青い池ですが、この日も平日にも関わらず沢山の観光客で賑わっていました。神秘的なその光景にしばし見入ってしまい、研修会に遅れそうになってしまいました・・。

 

 では今日の話題です。

・直近1年間に転職した人で退職代行を利用した人は16.6%。職種別では「営業」「クリエイター・エンジニア」で利用率が高い
・退職代行を利用した理由は「引き留められた(引き留められそうだ)から」が約4割で最多。「自分から言い出せる環境でないから」「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」が続く
・約4社に1社で「退職代行を利用して退職した人がいた」と回答。退職代行利用者は年々増加の傾向

https://career-research.mynavi.jp/reserch/20241003_86953/

 都市部を中心に利用が多くなってきている退職代行に関する調査結果ですが、従業員の約6人に1人が自ら直接退職を申し出ず、第三者を通じて意思を伝えていることを意味し、企業側にとって見過ごせない傾向と言えるかと思います。

 十勝管内ではまだそこまで利用が多いとは言えない状況ですが、それでも最近はちょくちょく会社からお問い合わせをいただいておりますので、今後少しずつ増えてくるのではないかと思います。

 退職代行の利用が増えている背景には、職場内コミュニケーションの希薄化や、上司との関係悪化、退職の意思を伝えた際の引き留めやハラスメントへの懸念があると考えられています。つまり、従業員が「会社に言いにくい」と感じる職場環境が存在していることの現れでもあると言えます。

 会社側としては、やはりこういった手法で退職を伝えられると、いい気分がしないのは当然ですし、「なぜ?」という思いがよぎるのが一般的な受け止め方かと思います。また、退職代行業者が弁護士ではなかった場合には、退職の意思を伝えられるのみで、交渉はできず、引き継ぎのことや会社への返却物といった退職に係る諸手続きについて、対応ができないことも多いようです。本人と直接連絡が取れず、引き継ぎが不十分なまま退職されれば、業務の継続性に支障をきたすことも当然ありえます。

 退職代行の利用は会社側にとって事務的・人的コストの増加をもたらしますので、会社の方にすぐに思い当たる事由がない場合には、割り切って「去るもの追わず」のスタンスを取り、淡々と退職手続きを進めることも必要かと思います。

 ただ、退職理由について、会社の方に少しでも思い当たる節がある場合には、この「退職代行を利用した」という現象を単に「最近の若者は責任感がない」と一蹴するのではなく、自社のマネジメント体制や職場の風土に課題がないかといった職場環境を再度見直す機会にすべきケースもあるかと思います。

 退職代行の普及は「退職=トラブル」という構図の常態化を招く恐れもあると言われ、双方にとって健全な関係の終わり方、いわゆる円満退社を実現するために、会社側としては自己都合退職という望ましくないプロセスの中においても、オープンな対話を促す体制整備をしていく必要があると思います。