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企業の約4割がスポットワーカーの活用に前向きである一方でリスク管理などの課題も多く

 先日、東京で行われたハラスメント防止コンサルタントの認定試験を受けに行ったのですが、その際に少し足を伸ばして、長野県の松本市に行ってきました。松本市の街中は、城下町の歴史を感じる風情と都市機能が調和しており、若者が多く、活気のあるとてもいい街でした。ただ、松本城内部の急な階段や段差の勾配には少し驚きました・・。

 では今日の話題です。

空き時間に短時間、単発で働く「スポットワーク(スキマバイト)」という新しい働き方が広がりをみせている。

働き手側においては、履歴書や面接が不要で、自分の都合に合わせて短時間・単発で働ける気軽さ、企業側では必要な時に必要な人員を柔軟かつスピーディーに確保できる点がスポットワークの魅力である。スポットワーク仲介サービスのパイオニアと言われている「タイミー」は2024年7月に上場を果たしたほか、同様のサービスを始める企業も相次いでおり、市場が急拡大している。

そこで、帝国データバンクはスポットワーク(スキマバイト)を請け負う「スポットワーカー」の活用について企業にアンケートを実施した。

※アンケート期間は2024年11月8日~12日、有効回答企業数は1,685社(インターネット調査)

調査結果(要旨)
1.企業の約4割がスポットワーカーの活用に前向きである一方で、リスク管理などの課題も多い
2.業界別、特に単発で対応しやすい、「個人向け販売」を含む『小売』や、『運輸・倉庫』などで活用に前向きな企業の割合が高い

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241121-spotwork/

 都市部だけではなく、地方においてもよく聞くようになった「スポットワーク」という働き方についての企業からのアンケート結果ですが、「スポットワーク」とは、単発や短期の仕事をスマホアプリなどで探し、都合の良い時間に働ける仕組みです。人手不足が顕著化する中、スポットワーカーを活用したいという企業は少しずつ増えているようです。

 飲食店や物流・倉庫業、イベント運営など人手不足の現場で多く活用され、最近では清掃業や介護の現場においても活用が増えています。企業側としては、繁忙期や人員欠員時にピンポイントで人員を補充できたり、人件費を抑えやすいというメリットがあります。働く側にとってもスキマ時間を有効活用でき、様々な職場や業種を経験できること、賃金が即日払いの場合が多い等のメリットがあります。

 一方で問題点もあり、企業側としては、人材の質や責任感の程度にバラつきがあったり、社員教育・引き継ぎの手間がかかる、機密情報漏えいのリスクもあり、複雑な業務や重要な職務には就けられないといった点も課題と言えます。働く側にとっては、福利厚生面の保護が少なく、雇用保険や社会保険の適用外となることが多々あり、キャリア形成が難しかったり、収入が不安定といった点も懸案事項となっています。

 そして、双方にとって大きな問題となるのは、単発の契約が多いことから、信頼関係の構築が難しく、継続的な関係性が築けない点があるかと思います。会社にとって、働き手がすぐにほしいという場面では有効な活用ができることも考えられますが、前述のデメリットも考慮した上で、採用を考えることが重要かと思います。いずれにせよ、スポットワークについては今後、法整備やマッチング制度の質向上が課題となってくると考えられます。